読了本
- 作者: 宮崎駿
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1983/06/15
- メディア: 文庫
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再読。『シュナの旅』は、貧しい国の王子シュナが大地に豊饒をもたらすといわれる「金色の種」を求め旅に出るが色々あって無事かえってくるという「地味な企画」なためアニメ化を断念し「自分なりの映像化」を行ったものを描き下ろした、チベット民話をベースとするオールカラーの絵物語。
amazonのレビューによると『風の谷のナウシカ』の連載開始とほぼ同時期に描かれた作品であるらしい。物語中いくつかその後の映像作品で使われたエピソードやキャラクターが登場して、そういう点で興味深いのだけれど、その他にも空を覆うように流れる岡本太郎の作品のような巨大な青白い月や、人間を燃料にして「金色の種」を吐き出す生き物のような巨大な建築物のイメージがおもしろくて迫力のある映像で見てみたいと思った。宮崎さんが描いた絵物語はこの他にも『砂漠の民』という比較的長い連載ものもあるんだけど、それをどうにかして読みたい。確かCOMIC BOXにその後まとめられたとか。これ↓は『飢餓砂漠』と仮題のついたその連載の予告カット。
再読。この『とんぼの本 アニメの世界』は、図入りで世界と日本のアニメーションの歴史を素人には十分なほどに辿れる本。ウィンザー・マッケイ、フライシャー兄弟、ディズニー、トルンカ、ポール・グリモー、ノルシュテイン、ノーマン・マクラレン、フレデリック・バック、ジョン・ラセター、川本喜八郎、アニメーション三人の会(久里洋二、柳原良平、真鍋博)、東映動画と、おさえるところはちゃんとおさえてあって信用できるけれど、次々に見たいものが出てきて困る。印象に残ったのは、日本のアニメの歴史の最後で、これからの商業アニメーションを志をもって担っていく作家が宮崎・高畑両氏しかいないともとれるところがあってそうなのかあと思ったんでした。ちなみにこの本の発行は1988年で、ジブリでは『となりのトトロ』と『火垂るの墓』が公開されるというときのもの。
- 見たいアニメメモ
それから今月24日にBS2でやる東映動画の『長靴をはいた猫』についての文があったのでメモ。
フランスのペロー童話より。猫のペロはピエール少年とお姫様を助けて、姫に横恋慕する魔王と戦い、知恵と勇気の大活躍。日本のアニメでこれほど良質の笑いがギッシリ詰まった作品は空前であろう。脚本井上ひさし・山元護久、音楽宇野誠一郎の「ひょっこりひょうたん島」トリオ、ギャグ監修中原弓彦(小林信彦)という豪華スタッフ。歌いやすくおぼえやすい楽しい歌が数多く用意されたこと、緊密に設計された魔王の城でのあの手この手のアクションの面白さ、そして愛すべき純情魔王役を好演した小池朝雄の声の演技など、東映動画はじまって以来の快作である。「ホルス」を終えたスタッフがのびのびと楽しんだ、文字通りの漫画映画。メイン・スタッフの宮崎駿の好みがすでに散見されるのが興味深い。
確かその城の設計が宮崎さん担当だったとか。
ところで、先日の『フリーキーフライデー』の製作?配給?がディズニーだった。ディズニーって他にも、個人的に好きなドキュメンタリー『砂漠は生きている』とか、CGを使った独特な味のある『トロン』とかもやっていて、なんか妙に引っかかる作品をつくっているイメージがあったので、ちょっと調べようと思ったんだけど、日本語でそういうアニメ以外のディズニーの映像作品リストっていうのがなくて困った。英語ではあったんだけど。詳しい人いませんかー!(急に)